
歯の矯正治療の1つであるマウスピース矯正ですが、プラスチック製で透明なため目立たないなどのメリットがある一方で、お手入れなどを怠ってしまうと、マウスピースに細菌が繁殖してしまう可能性があります。そのため、本記事では、正しくマウスピースを使うために、マウスピース矯正装置の正しい洗浄方法と保管方法、また注意すべきポイントを解説していきます。
マウスピース矯正装置が汚れてしまう原因とは?
マウスピースが汚れてしまう主な原因として、食事とタバコが挙げられます。食事に関しては、食後に歯磨きをせずにそのままマウスピースを装着してしまうと、口の中にある食後の食べ残しにより、マウスピースが汚れてしまいます。さらに、コーヒーや赤ワインなどの色の濃い飲み物によって、マウスピースに色がつき汚れる原因にもなります。
また、マウスピースをつけたままタバコを吸ってしまうと、ニコチンやタールなどの化学物質により、マウスピースが変色し、マウスピースの素材に悪影響を及ぼすこともあります。
マウスピース矯正装置を清潔に保つ洗浄方法
マウスピース矯正は1日22時間以上装着する必要があるので、定期的な洗浄を怠ってしまうと、どうしても不衛生になりがちです。一見汚れていないように見えても、正しく洗浄をしないと雑菌が繁殖する原因となりますので、ここでは、正しいマウスピースの洗浄方法について説明します。
マウスピース専用洗浄剤を使用する
マウスピース専用の洗浄剤を使うのが一般的です。専用の洗浄液には、家庭で使いやすい「つけ置きタイプ」と、外出先にて手早く洗浄できる「スプレー・泡タイプ」の2種類があります。「つけ置きタイプ」は、家庭でのお手入れに最適で、水、もしくは40〜50°Cのお湯に洗浄剤を入れ、5〜15分つけ置くタイプの洗浄剤で、つけ置き時間に関してはメーカーごとに多少異なります。「スプレー・泡タイプ」は外出先でも使える洗浄剤で、マウスピースにスプレーをかけ、指で1分ほど洗います。つけ置きタイプとは異なり、こちらの洗浄剤は、マウスピース全体にまんべんなく行き届きにくいので、ご自宅では「つけ置きタイプ」、外出先では「スプレー・泡タイプ」と併用されるのがおすすめです。
目に見えない汚れも除去できる超音波洗浄機

画像引用:シチズン
超音波洗浄機は、肉眼では見えない微細な汚れを超音波で洗い流してくれる優れものですが、あまりにも安価な商品は汚れが落ちにくい場合もあるので、注意が必要です。上述の専用洗浄剤と組み合わせて使用することで、更に洗浄の効果が期待できます。
水道水で洗浄する
最も簡単なお手入れ方法としては、外出先で洗浄剤や洗浄機がない場合は水道水で手洗いすることも可能です。水道水でも、こまめに洗浄することで雑菌の繁殖を抑えられるので、どうしても洗浄剤がない場合でも、洗浄しないよりは効果的です。
マウスピース矯正装置の正しい保管方法
ここでは、マウスピースの正しい保管方法について解説します。
外したらすぐに専用の保管ケースに入れる
マウスピースをそのままの状態で保管してしまうと、ホコリが被るなど衛生的に良くないので、専用のケースに入れて保管するようにしましょう。
洗浄後はよく乾燥させる
マウスピースを洗浄したあと、濡れた状態にしておくと細菌が繁殖しやすくなってしまうので、よく乾燥させてから保管しましょう。
お手入れする際の注意ポイント3選
マウスピースをお手入れする際に、うっかりやってしまいがちな注意ポイント3つを解説していきます。
ポイント①専用の洗浄剤以外は使用しない
歯磨き粉や石鹸など、専用でない洗浄剤を使用すると、マウスピースの表面に傷を作り雑菌の繁殖を促進してしまう場合もあるので、洗浄剤、もしくは水道水以外では洗わないようにしましょう。
ポイント②ゴシゴシ洗うことはNG
キレイにしようと歯ブラシなどでゴシゴシ洗ってしまうと矯正装置が傷んだり、歪む恐れがあるため、歯ブラシなどを使う場合は、軟らかい毛のものを使い、優しく磨きましょう。
ポイント③必ずぬるま湯て洗う
殺菌目的で熱湯をかけてしまうと、マウスピースは薄いプラスチックなので、たちまち変形してしまい、歯に合わなくなるなど、作り直しになる場合もあるので、必ず40〜50°Cのぬるま湯で洗浄しましょう。
洗浄に役立つ3つのケア商品
つけ置きタイプ~ポリデント 矯正用リテーナー・マウスピース用洗浄剤~

画像引用:アース製薬「ポリデント 矯正用リテーナー・マウスピース用洗浄剤」
マウスピース対応のポリデントシリーズの洗浄剤で、除菌やニオイ除去の効果がある漂白活性化剤が入っており、頑固な汚れでも5分のつけ置きで洗浄が可能です。
泡タイプ~デンタルラボ 泡ウォッシュ~

画像引用:グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社
マウスピース以外にも様々な口腔ケアアイテムに対応している泡スプレーで、ミクロ泡がマウスピースの隙間に入り込み、細かい汚れを除去することができます。1分ほどで洗浄が完了するので、外出先などで時間がないときなどの洗浄におすすめです。
スプレータイプ~アース製薬 マウスガード 除菌・洗浄スプレー~

マウスピースに直接スプレーを塗布するだけで除菌・洗浄が可能なので、時間がないときや、手軽に洗浄を済ませたいときなどに便利です。
マウスピース矯正洗浄方法まとめ
マウスピース矯正は1日22時間という長い時間、マウスピースを装着する必要があり、常に清潔な状態でないと、細菌が繁殖したり、最悪の場合、虫歯や歯周病を引き起こしてしまう可能性もあります。そのため、正しい方法で洗浄・保管をすることで、マウスピース矯正を効果的な治療にしていくことが大切です。
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また気になるマウスピース矯正の費用・値段についてはこちらの記事で詳しく解説しているのでご覧ください。

参考文献
引用:インビザラインジャパン株式会社
引用:審美歯科専門サイト
引用:ソレイユ矯正歯科
公開日 2021年5月2日
監修:銀座エルディアクリニック西野医師